恥ずかしくないんですか
前述のとおり、中学に入ってもいじめを続けていた人物のうちの1人は、同じ部活だった。
彼女とはもともと仲が良かったこともなく、まぁ、小学校の時から私の悪口をいっていたし、中学もそのまま引き継いで、私のことが気持ち悪かったんだと思う。
ある休日、部活動がある日の、朝だった。
私はよくあったようにこの時も、「今日はいけない」と言っていたと思う。
なにがきっかけだったかはわからない。その前の平日に嫌なことを言われたのか、ただ気持ちが落ち込み、自分の中のもやもやしたものと戦うので精一杯だったのか。
今でもそうだが、行ける日と行けない日というのは、朝にならないとわからなかった。
母はそんな私を叱っていた「どうして行かないの」「部活におくれるよ」「なにがいやなの」
それになんて答えたかはあまり覚えていない。
どういう経緯だったかもわからない。
ただ、母親が、もう1度、現在のいじめの中心人物である彼女の家に電話をかけた。
母は彼女自身とも話したらしいが、彼女の親とも話したらしい。
彼女の親がいったのは、
「それがなんですか?」
「そんな事で電話をかけて、ことを大きくしようとして、あなたは恥ずかしくないんですか?」
というような言葉だったらしい。
この言葉を、母はどう思っただろうか。
私の前ではなんて親なんだと怒っていたが、傷ついてはいなかっただろうか。
今も昔も、精神を患った私の対応に苦しみ、苛立ち、悲しみ、すれ違うことが多い親子であると思うが、私は、自分の母親が恥ずかしい人だとは思ったことはない。
当時は自分のことで精一杯だったが、今思い返せば、彼女は、私が少しでも不安なく学校へ通えるように、そしていじめが無くなるように、私を守ってくれていた。
電話だけでなく学校に何度も足を運んで先生と話し、
私は嫌だったが、それでも何度も引きずって車に乗せ、学校へ送ってくれ、
中学校で唯一頑張れていた部活も、応援してくれていた。
彼女は、ずっと私の味方であった。
そんな彼女は、本当に、恥ずかしい親だっただろうか。