いじめられっ子から障害者になった人生四半世紀

いじめられっ子から障害者になった人生の四半世紀分の話

恥ずかしくないんですか

前述のとおり、中学に入ってもいじめを続けていた人物のうちの1人は、同じ部活だった。

彼女とはもともと仲が良かったこともなく、まぁ、小学校の時から私の悪口をいっていたし、中学もそのまま引き継いで、私のことが気持ち悪かったんだと思う。


ある休日、部活動がある日の、朝だった。

私はよくあったようにこの時も、「今日はいけない」と言っていたと思う。

なにがきっかけだったかはわからない。その前の平日に嫌なことを言われたのか、ただ気持ちが落ち込み、自分の中のもやもやしたものと戦うので精一杯だったのか。

今でもそうだが、行ける日と行けない日というのは、朝にならないとわからなかった。


母はそんな私を叱っていた「どうして行かないの」「部活におくれるよ」「なにがいやなの」


それになんて答えたかはあまり覚えていない。

どういう経緯だったかもわからない。

ただ、母親が、もう1度、現在のいじめの中心人物である彼女の家に電話をかけた。


母は彼女自身とも話したらしいが、彼女の親とも話したらしい。

彼女の親がいったのは、

「それがなんですか?」

「そんな事で電話をかけて、ことを大きくしようとして、あなたは恥ずかしくないんですか?」

というような言葉だったらしい。


この言葉を、母はどう思っただろうか。

私の前ではなんて親なんだと怒っていたが、傷ついてはいなかっただろうか。

今も昔も、精神を患った私の対応に苦しみ、苛立ち、悲しみ、すれ違うことが多い親子であると思うが、私は、自分の母親が恥ずかしい人だとは思ったことはない。


当時は自分のことで精一杯だったが、今思い返せば、彼女は、私が少しでも不安なく学校へ通えるように、そしていじめが無くなるように、私を守ってくれていた。

電話だけでなく学校に何度も足を運んで先生と話し、

私は嫌だったが、それでも何度も引きずって車に乗せ、学校へ送ってくれ、

中学校で唯一頑張れていた部活も、応援してくれていた。


彼女は、ずっと私の味方であった。


そんな彼女は、本当に、恥ずかしい親だっただろうか。